2022年春酒 きき酒レポート

April 26, 2022

お世話になっております。

小泉商店 営業のKと申します。

今回は春の会の限定品に加え、夏酒の第一陣が加わり、通常の月例きき酒会よりも多くのお酒をお届けすることができました!

春と夏の狭間を彩る珠玉のお酒たちをテイスティングした感想を、私Kが僭越ながら語らせていただきます。

■南部美人 特別純米酒


地元、岩手県二戸市産の特別栽培米「ぎんおとめ」を主原料としています。ふわっとやさしい果実の香りと上品な米の旨みで後味すっきり。幅広い料理に合う究極の食中酒を目指して造ったお酒です。

IWCで金賞を獲った南部美人の特別純米酒ですが、頂点を極めた後もさらなる高みに向けて試行錯誤をし続けています。

どこをとっても文句の付けようがなく、完全な球体を思わせるような丸い味わいは、まさに美人のそれと言えるでしょう。

■南部美人 R3BY雄三スペシャル美山錦純米無濾過生原酒

theYuzoSpecial!堅い、渋い!そして原酒ということもありゴリゴリのお酒に仕上がっています。

飲み頃はまだまだ先ですが、飲み頃を引っ張り出すために、お好みで加水、ロック、温度上げ下げ、お酒4の炭酸6でも幅広くお楽しみいただけます。

剣の達人に打ち込んだものの、巌のごとき圧力に身震いしたときのような強烈なインパクトがあります!

■南部美人 R3BY雄三スペシャル雄町純米無濾過生原酒

旨味甘味酸味バランスがよく、今年はいつもより堅め。しかしながらどこか優しさもある酒質、そして相変わらずオールマイティなお酒です。

冷から常温、燗酒まで幅広にお楽しみいただけます。この堅さ渋さの生原酒は春のにが~い山菜等と相性が抜群です。

美山錦を力の一号とするなら、技の二号といった味わい。技のデパートここにあり!

■南部美人 特別純米 無濾過生原酒『プリマ』

お米の旨味甘味どかんっ!

リンゴや綿菓子をほのかに思わせる心地よい香り、米の旨味甘味がとても気持ちよく、原酒でもほんの少し加水してもどちらもおすすめできる生原酒です。

濃厚なソースがかかったお肉料理と相性がよく、幅広くお楽しみ頂けるお酒になっております。

舌の上を軽やかに踊るひんやりとした味わいが吹き上がる雪のように豪快かつ繊細。

■南部美人 大吟醸うすにごり生原酒

フローラルな香り、リンゴの蜜を頬張ったような瑞々しい味わい、ピチピチフレッシュ、原酒ならではの力強さもあり飲みごたえも十分。

先に澄んだお酒、次に攪拌させオリを絡めて、加水させるとさらに柔らかく優しくなります。

キンキンに冷やしてあったかい湯豆腐や、刺身の漬け、昆布締めこの時期ならではの味わいをちょっと贅沢な食材とともにお楽しみ頂きたい逸品!

険しい霊峰を上りきった先に、探していた桃源郷を見る!

■一乃谷 大吟醸『暁』斗瓶採り無濾過生原酒

コスパ最強のお酒!!

山田錦を贅沢に40%まで磨き上げ、昨年暮れに続き今季2度目の“斗瓶採り”しました。

口中の含み香高く、喉ごしの良い大吟醸酒。

暁の地平線から差し込む春の日差しを受けたすべての植物が芽吹いていくような、そんなイメージ。

■一乃谷 山廃仕込み特別純米『別誂』斗瓶中採り生原酒

暁の無濾過生原酒や、大吟醸完美に劣らないパフォーマンスを誇る一本です。

何と言っても従来の一乃谷の味わいとはうって変わって、ジューシーな味わいに山廃特有の複雑な旨味が利いており、お酒単体での完成度も高いです。

丸々と実った果実を手に取り、カシュッとかぶりついたときの味わい。あまりのジューシーさに着ている服が弾け飛びそうになります。

■一乃谷 大吟醸 さかほまれ

福井の限定栽培米のさかほまれを使った大吟醸です。

金沢系の酵母使用したやや甘口ですっきりとしたタイプの2回火入れのお酒です。

■金陵 月中天 無濾過純米生原酒

香りはやわらかく、ふんわりと甘い。口に含むと優しい甘味を感じ、最後は酸味で辛口のキレを表現。

白身魚の刺身・煮付け、天ぷら、ポテトサラダ、根菜系のスープ、鶏肉料理などとご一緒にご賞味ください。

細身に見えて実は大喰らい。いっぱい食べる君が好き。そんな感じです。

■金陵 月中天 純米加水生

香りはやわらかく、ふんわりと甘い。口に含むと瑞々しいなめらかな甘味と爽やかな酸味でキレを感じさせ、夏場のあっさりとした料理の邪魔をしないし、こってりとした料理の脂を流してくれます。

夏祭りの縁日で食べた綿菓子、ほのかな甘みを残して消えてしまう儚さ。

■金陵 せとのあお 水族缶

スナメリやタコ、ハマチ、タイなどの瀬戸内海の生き物を水彩風のイラストで表現。

季節や時間によって変わる瀬戸内海の様な青(蒼、碧)をお酒を飲みながら思い浮かべ、リラックスして楽しんでいただきたいという思いで商品化しました。

田舎の堤防、潮騒の香り、ふたり乗りの自転車、溶けかけた棒アイス、わびさびが缶の中に詰まった懐かしい一本。

■金陵 純米吟醸『瀬戸内オリーブ』

青々としたオリーブ由来の天然酵母育ちでありながら、若々しいマスカットを思わせるフレーバーと新緑を思わせる純米吟醸酒です。

爽やかでトロピカルな酸味が特徴。オリーブ牛のタリアータやオリーブ真鯛のフリット等、洋食ともよく合います。

■手取川 シャキッと辛口 純米吟醸生原酒

山田錦と五百万石を手取川が得意とする黄金比率で醸した、シャキッとした辛口の生原酒です。

冬から春に移り変わり、大地から脈動する生命の鼓動を思わせるようなチリチリとした発泡感のあるフレッシュ感が特徴。

お酒だけでも楽しめるのが現代風の味わいですが、歯ごたえの良い野菜や、塩やレモン、ニンニクを使った洋風料理などとマッチするかと思われます。

■山本 純米90生原酒

使用米は秋田県の新品種、百田(ひゃくでん)を90%の低精白で醸しました。

NEXT5の面々も90%でお酒を仕込んだ経験があり、そこからの技術交流の賜物でしょうか、出来上がったお酒は辛くてそっけないなんてことは決してなく、辛口ではあるものの、湧き上がってくるジュワっとした酸が食欲を引き上げます。

低精白ゆえに甘味は少ないので、甘辛いソースが絡む料理との相性が良さそうに感じます。

■山本 純米吟醸『インディゴブルー』

地元で細々と造っていた山本試験醸造酒についにプロダクトネームが付きました!

秋田で新たに誕生した酒造好適米『一穂積』を使用した商品です。

軽快で淡麗ですが、後味に酸を中心としたふくらみのあるお酒になりました。

■清泉 生貯蔵酒『七代目』

立ち上がり・ふくらみ・キレともに完全な出来栄えで、蔵元曰く「言葉による説明が必要ないほどの出来栄え」

あくまで料理が主役であり、お酒は黒子であるという昔ながらの考え方も、高級料亭でお世話をしてくれる女将さんのごとき慎ましやかさと配慮が伺えます。

■四季桜 純米吟醸辛口生原酒 nao-夏桜-

nao-夏桜-は、爽やかでスッキリとした酸味とやさしい旨みを感じるキレの良い味わいの加水バージョンの生酒です。

さわやかでスカッとした味わい風味は、真っ白な砂浜、真夏日の青空にサッと一条走る飛行機雲のような爽快さ。ポカリスエットのCMを思わせます(歌:FIELD OF VIEW)

出羽桜 特別純米酒アマビエさま 空のむこうへ

「 厚く重い雲であればあるほど、明けた空は明るく眩しい…。 」

コロナ禍を乗り越え、晴れ渡る空の向こうが必ず来ることを願って発売されました。

今回のデザインも、山形出身の画家、佐藤真生(まさお)さんが描くアマビエさまで、明るい未来を確信し、空の向こうへ帰っていくアマビエさまをイメージしました。

■満寿泉 純米吟醸生うすにごり R2BY

一年間弊社冷蔵庫の中で冷温貯蔵した商品です。

生酒の熟成ものですが、熟成させた感がまるでなく、フレッシュさやガス感を残したまま綺麗に丸くなっています。

さすがは満寿泉、強い造りをしていると多少の熟成ではうんともすんとも言わないパワーを感じます。

ジュワっとくる酸味は、食中でもしっかり食事を下支えし、熱めにお燗をしたら目を見張るほどの進化を魅せます。

■繁桝 純米大吟醸にごり酒『夏に夢る雪』

酒造米『夢一献』という夢の字を冠した酒米を使い、50%まで磨いた純米大吟醸です。

なのに価格は2,450円。軽く引くぐらいの安さです。

ふわりと香る吟醸香の淡さは雪で作った綿あめのよう。

夏空に浮かぶこんもりとした入道雲はきっとこんな味。

■国権 山廃純米無濾過生原酒

この太陽は夜も輝く。

夜に太陽のように輝く月は、夏の季語とも言えるかもしれません。

鋭くもなめらかな口触りが夏への入り口を思わせます。

塩味の串焼きに香辛料やレモンを垂らして合わせてみるとビール要らずの逸品となりえるでしょう。

本来は発売しない予定でしたが、お客様より再販の声を非常に多く聞いたということで、急遽瓶詰めしていただきました!

■竹の園 ぱんだ祭夏 パンダの旅 超辛口純米酒

ラベルのゆるさからは想像できないしっかり超辛口の純米酒。

笹なんか食ってしらばっくれていますが、そう、パンダはれっきとした“猛獣”です。決して甘くはありません。

カリッカリに辛いので焼酎のような合わせ方も可能です。何にでも合わせて飲むことが出来るかと思われます。